CTとMRIのちがいは?
日本は世界の中でも屈指の医療機器の充実した国です。交通手段も整備されており日本中どこに住んでいてもほぼ同レベルの医療を受けることが可能です。このような医療の充実に大きく貢献しているものの一つにCT・MRIの普及があります。CTは昭和50年代に急速に普及しはじめ昭和60年代にはほぼ飽和した感があります。MRIの方は、CTよりもちょうど10年遅れて普及しはじめ、平成10年頃には全国の基幹病院に設置されるに至り、中小の病院・診療所(おおくは脳外科)でも設置される施設が増えてきております。
CT・MRIは多くの診療分野で大きな恩恵をもたらしましたが、特に恩恵をこうむったのは脳神経外科だと思います。少なくともCTが出現するまでは、頭の中を調べる主な手段は脳血管撮影という非常に手間のかかる侵襲の大きな検査しかなく、しかも診断能力は決して高いとは言えないものでした。
さて、本題のCTとMRIの違いについてですが、まず根本的な違いはCTはX線(レントゲン線)を使用しますが、MRIは使用しないということです。これは大変大きな意義のあることで、X線は放射線の一つですから体に浴びすぎるのは当然避けるべきですが、MRIにはそのような心配はありません。MRIは磁力と微弱な電波を用いますが、現在のところ体への大きな影響は言われてはいません。あとの細かい原理は置いといて、いずれも体の輪切りの『写真』が撮れるわけですが、実はよく見かける体の断面の『写真』は、あれは『写真』ではなく集めた情報を元にコンピューターが描いた『絵』なのです。CTとMRIでは元の情報の種類と集め方が全く違うので出てくる絵も全く違ったものが出てきます。
それぞれの具体的な特徴は、CTは検査時間が短く、出血性の病気の描出に優れています。ただし、骨も一緒に写ってしまうので頭蓋骨が複雑に入り組んでいる脳の底の部分の検査は苦手です。まあ手っ取り早くある程度の病気の有無を確認するのには適しています。MRIの方は、検査に10〜20分程度かかります。骨の影響を受けず部位を選ばず詳細な『絵』を作ることができますし、輪切りだけでなく縦切り・横切りどのような断面でも作ることができます。またすべての病気に万能で1mm程度の異常から検出できます。さらにMRIの決定的に優れている点は、造影剤を使わずに脳や頚部の血管を木の枝のように写し出す事が出来ることです。ここまで書くとMRIの方が圧倒的に優れているような印象を受けられると思いますが、MRIにも欠点がありペースメーカーなど体の中に金属が入っている方では検査が出来ない場合があります。現実的には、大きな外傷や出血性疾患を疑ったときにはCTを、脳梗塞や脳腫瘍その他の病気を疑ったときはMRIを行うことが多いと思われます。また頚椎や腰椎、膝などの病気も簡便かつ詳細に描出することができるという点ではMRIは勝っていると思われます。当院では、オープン型と呼ばれる最新式のMRIを導入しております。あまり窮屈感や閉所感を抱くことなく検査を受けられますので何かご心配な点がありましたら気軽にご相談下さい。

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