慢性頭痛 〜特に片頭痛と新しい治療薬について〜
脳神経外科外来に来られる患者さんの訴えで1番多いのは,やはり頭痛です.中でも『何年か前から時々痛くなるんですが,最近特に気になって』という方が多いです.しかしCT検査をしても異常なし.この様に長期にわたり持続あるいは反復する頭痛で,脳の病気とは関係のない頭痛を『慢性頭痛』とよんでいます.生命を脅かす危険性はありませんが,その痛みは時としてかなり強いことがあり生活に影響がおよぶことも少なくなく,また15歳以上の日本人男女の約50%が経験しているといわれ,軽視できない病気と思われます.慢性頭痛には3つの病態があり,緊張性頭痛,群発頭痛,片頭痛に分類されます.まず緊張性頭痛は一番よくあるもので,肩こり,すなわち頚部筋緊張に伴うもので後頭部の締めつけ感や頭重感が主体のものです.一般的な鎮痛薬や筋弛緩薬,体操が効きます.次に群発頭痛ですが圧倒的に男性に多く,眼の周囲や後頭部がキリキリと痛むもので飲酒などが誘因になることがあります.治療薬は片頭痛に準じますが,予防として規則正しいリズムでの生活が重要とされています.最後に片頭痛についてですが3つの中では1番聞き慣れた名前だと思います.特に20歳前後の若い頃からいわゆる『頭痛持ち』の人は,まず片頭痛が疑われ女性に多いです.その名の通り片側の前頭部に拍動性の頭痛として感じられることが多く,眼前がキラキラ光るなどの前兆を伴うことがあるのも特徴の一つです.片頭痛に対してもまず一般的な鎮痛薬を用いることが多くもちろん有効なことも少なくありません.但し,中には難治性のことがありただひたすら『嵐が過ぎ去る』のを待ってもらうしかない患者さんもいます.ところが最近,片頭痛に対する新しい治療薬が登場し,この様な難治性の患者さんにも有効な場合が出てきました.片頭痛の原因については諸説ありますが,最近セロトニンという血管の収縮・拡張に関与する物質の調節不良によって起こることが分かってきて,新しい治療薬というのはこのセロトニンを調節し,片頭痛を原因から治療しようとするものです.しかもこれまでの片頭痛治療薬というのは痛くなる前すなわち前兆の段階で服用しないと効果が得られなかったのですが,この新しい薬は痛みが生じた後から服用しても効果があるという利点があります.当院でも処方しておりますので,日常頭痛にお悩みの方は一度御相談ください.

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